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    気象情報と現地データ(WEATHER DATA)



    レース中毎日の気象図とベンガルUの海上データ
    (この図はつごうによりキャンセルしました)

    馬場正彦氏のコメント (株)気象海洋コンサルタント

航跡図を記入してある天気図はグリニッチ00時の毎日の実況(analysis)です。船舶 や地上の観測値では海域全部を埋められないので、衛星による雲画像や前日の観測結 果、さらには観測空白域の空間補間といったさまざまな値を用いて解析しています。

風の吹き方は、概略気圧傾度で推定しますが、海水温と気温の温度差(大気安定度) や上空の風の状態(鉛直シアー)によってもさまざまに変化しますので、われわれ は、通常風向については1方位、風速については±20〜30%程度の誤差を見込ん で実況や予想天気図を読むようにしています。

今回のポイントは、コース上にあった高気圧の中心が例年より北偏すると予想したこ とでしょう。実際、はじめ30N付近にあった中心が35−40Nにまで北上していま す。高気圧の南の縁辺部でもっとも安定した風を拾えるため、従来はこの高気圧の中心付 近の弱風域を通過する大圏を嫌ったのだと思いますが、今年はそれが北偏した結果、 大圏コースでも安定した風となりました。まさにベンガルの作戦勝ちでしたね。




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