<講師の横顔>
某ベテラン・ヨットデザイナーが堀内浩太郎氏を「真のクリエーター」と呼んでいましたが、同氏の著書「あるボートデザイナーの軌跡」(舵社発行)を読んだ人ならその意味がわかることでしょう。これを読んだ時、私(大橋)も実にそのとおりだなァと思いました。以下、氏のプロフィールです:
ほりうち こうたろう: 大正15年生まれ。旧制第二高等学校(理1)から東京大学工学部を卒業。横浜ヨット製作所でワンオフの木船、水中翼船、空中プロペラ船の設計に、岡村製作所では軽飛行機、ソアラーの設計に合わせて10年間従事した。その後1960年ヤマハボートの始まる時から、モーターボート、ヨット、漁船、和船その他の技術・開発を担当。ボートデザイナーとしての経歴は著書 ”ボートデザイナーの軌跡”に詳しいが、漕艇選手として6年間国体に出場し3回優勝、東北大漕艇部監督としてローマオリンピック、世界選手権に2回、全日本選抜エイトの監督として東京オリンピックに出場し、スポーツマンとしても活躍する。ヤマハ発動機(株)取締役マリン事業本部長、常任顧問を経て、1996年10月に同社を退社。
同氏について、ある会員からとても愉快なおたよりをいただきました。堀内氏の一面を紹介した形になっているので(発信者の掲載許可を得たので)以下に添付します:
------------さて、私の勤める会社は、一風変わったところで、毎年の運動会は、戸田の漕艇場で行われます。私を含め、殆どの社員が、ナックル・フォアを漕いで(漕がされて)いるのですが、当然、学連出身者も多く、私の所属するグループでも、直属の上司を含めて数名が現役で活躍しております。ご案内を転送させて頂いたところ、下記コメントがありましたので、ご参考まで!
@早大漕艇部出身者(直属上司、早慶レガッタ実行委員)
堀内氏は東北大学の監督を務めた有名な方です。
A神戸大漕艇部出身者(H3年入社、戸田艇庫出社組)
ご案内にもある通り堀内氏は昨年のアトランタ五輪に向けての漕艇強化プロジェクト「アトランタ造艇委員会」を主催され、いくつかの新発明をアトランタにも持ち込まれました。その中のあるものは、予選レースで効果絶大であったため他国の抗議を受け、結局使用禁止にされてしまったとも聞いています。
B東大漕艇部出身者(H5年入社、同上)
堀内氏が監督時代(昭和40年代後半から50年代初期)の東北大学の「調和漕法」は強烈で、漕法とハード(オール、艇)をパッケージで考えた画期的な漕法でした。小職も20年あまりのちに当時の研究資料を読んで衝撃を受けた記憶があります。ボート関係者ならだれでも知っているすごい方です。
なお、部長は、東大ヨット部出身なのですが、ジュニア・ヨット協会の理事で忙しく、先行きが危ぶまれておりましたが、先日、目出度く役員に昇格致しました。なお、受付け嬢の父君も、たいへんに元気なメルジェス30のオーナーです。
さて、自称レーサーに限らず、ヨットの科学的根拠に疎い方が、私を含め、余りにも多いと痛感しております。いくら興味があっても、こういった事は、ハーバーで聞いても、誰も教えて呉れませんし、逆に煩がれています傾向があるのではないでしょうか? 先日も、多少古い著書ですが、トム・ウィデンの「アート・オブ・セイル」を読んで、(読破してませんが)、目から鱗の思いでした。今後も、楽しい勉強会を期待しております。