「ヨットデザイン原論」を教科書に見たてて「ヨットデザイン講座」を始めたのが、昨1999年の2月でした。
第1回は野本謙作氏にお願いしました。第1章を含むイントロダクション、第4章流体力学とスタビリティ、
第5章ハルデザイン という内容でした。
その後は桜井晃氏の第6章キールとラダーのデザイン、増山豊氏の第7章セールとリグのデザインと続き、
今回の野本謙作氏の第8章バランスで無事終了となりました。1年という長いシリーズにもかかわらず、
多くの皆さんのご支持とご出席をいただきました。ありがとうございました。
本日の主題、第8章バランスは野本先生の専門分野に属するものであるようです。
また空中の効果中心と水中の効果中心との間の「やりくり」という、ヨット独特の事象についてのお話なので、
ヨットマンの実感に響くものがあったようです、大変に盛り上がりました。
午後の2時限目はつい先日(2000年2月)オーストラリア・タスマニアで行われたばかりの
THE 7TH INTERNATIONAL CONFERENCE ON STABILITY OF SHIPS AND OCEAN VEHICLES に出席しスピーチされた
野本氏の帰朝報告となりました。
これは1994年に発表された野本委員会の成果を元にした、ヨット倒立後の復原に関するレポートなので、
当然ながらご出席のヨットマンの感心は高く、質疑応答も活発に行われました。
本日は緊急の実験報告がありました。前々回(1999年9月)の「堀内ワールド」の主題であった
TWIN DUCKS 水中翼カタマランヨット(1/3模型)の翼走が成功したというレポートです。
当の堀内氏をはじめ、今年からこのプロジェクトに参加した加納君も加わっての
ビデオ報告会となりました。画面によれば確かに安定して翼走しており、参加者の大喝采を浴びました。
今年は加納君が実艇を作成し実験を重ねる、というところまで進むそうです。